スクラッチのプログラムを行う際によく使うクローンについて実際に使ってみて説明をしていきます。
スクラッチの基本的な機能でありますが、使いこなす事で色々なゲームを作る事が出来ます。
目次
スクラッチのクローンと何か?
「クローン」って何か簡単にいうと「コピー」です。
スプライトをコピーして使う事が出来ます。例えば、スクラッチではお馴染みのネコをクローンするともう1つネコが表示されます。
では、具体的にどのようなシーンで使うかというと、シューティングゲームの「弾」や「敵」です。
敵を攻撃するために「弾」をたくさん発射したりしますが、実際のスプライトは1つでクローンをして使っています。
敵がたくさん出現するようなシューティングゲームでもスプライトは1つでクローンをして使っている事が多いです。
また、シューティングではなく「ブロック崩し」のブロックでもクローンを使って作られています。
このようにスクラッチのクローンは色々なところで使われておりスクラッチを学ぶ上で覚えておくべき基本的な知識です。
スクラッチでクローンを作って見る
実際にクローンを使いながら説明をしていきます。
クローンに関する命令は3つになります。
制御メニューの下にある以下の3つになります。
- クローンされた時
- 自分自身のクローンを作る
- クローンを削除する
図02
まずは2番目にある「自分自身のクローンを作る」を使ってみましょう。
- ハタが押された時
- 自分自身のクローンを作る
- 10歩動く
- 端についたら跳ね返る
- 元の「ball」を表示しないようにします。
- 変数「点数」を作り「0」をセットします。変数「点数」は画面に表示します。
- 1秒間隔で100回クローンをします。
- 「ball」を表示する。(クローン前のスプライトを見えないようにしているので見えるようにするために表示します)
- 「どこかの場所に行く」の下に「0~360乱数度に向ける」を入れます。
- 大きさを20%にする
- 動きメニューから「ネコ」に行くを持ってきます。
- ステージに表示する。
- ずっと「5歩動かす」。「端に降れたら」クローンを削除する。
というプログラムを作ってみます。
これを実行してみます。
実行しても見た目には変化はありません。
ネコをマウスで動かしてみると同じ場所にネコが2匹いる事がわかります。
「3回繰り返す」で囲ってみると
3匹のネコがクローンされて合計4匹の猫がいる事になります。
クローンは、自分のクローンだけでなく他のスプライトのクローンを行う事も出来ます。
「Ball」のスプライトを追加してみます。
クローンの「自分自身」という部分をクリックすると「ball」が選べますので「ball」のクローンを作るというプログラムにします。
このプログラムを実行してみるとさっきと同じように変化はありません。
マウスを使って「ball」を動かしてみると「ball」が2つある事がわかります。
スクラッチでクローンしたスプライトを動かしてみる
次はクローンでコピーするだけでなくコピーしたプライトを動かしてみます。
ネコは削除をして「ball」だけがある状態にして下さい。
クローンされた「ball」をどのようにして動かすかというと「クローンされた時」のパーツを持ってきて動かしたい動きを書きます。
今回は以下を100回繰り返すという動きにします。
クローンされたスプライトかわかるように最初に見た目を変えてみましょう。
次のようなプログラムになります。
「ball」のコスチュームは「ball-b」にしてわかりやすくしました。
実行すると青いballが動きます。
このように「クローンされた時」にクローンされた時の動きを書く事でクローンされたスプライトを動かす事が出来ます。
このプログラムを少し改造してクローンを3回とクローンされた時に「どこかに行く」というのを追加してみましょう。
「どこかに行く」を追加することでこれまでは同じ動きであったのが、実行する度に違う動きになります。
スクラッチでクローンしたスプライトを消してみる
スプライトは削除する事は出来ないのですが、クローンしたものは削除をする事が出来ます。
どのようにして削除をするかというと「このクローンを削除する」というパーツでクローンしたスプライトを削除する事が出来ます。
上で作ったプログラムの「100回繰り返す」の下に「このクローンを削除する」をつけてみましょう。
これで実行をすると「100回繰り返す」を終えた「ball」が消えました。
「このクローンを削除する」という命令を使うことでクローンを削除する事が出来ます。
スクラッチでクローンに上限はないのか?
スクラッチ3.0ではクローン出来る数に制限はあります。
上限は、300個となりそれ以上はクローンされないので300個以上クローンするプログラムは作らないようにして下さい。
300個以上クローンしてもエラーは出ません。
スクラッチでクローンを使って簡単なゲームを作ってみよう
スクラッチのクローンについて説明をしてきました。
ここまで作ってみたプログラムを使って簡単なゲームを作ってみます。
上で作ったプログラムを修正します。
■ハタが押された時
以下の内容を修正します。
このようなプログラムになります。
■クローンされた時
以下の内容を修正します。
これまでは同じ方向を向いていましたが、「0~360の乱数度に向ける」を入れる事によりクローンされた「ball」は違う向きに進むようになります。
このようなプログラムになります。
■このスプライトが押された時
この記述を追加します。
クローンされたスプライトがクリックされた時に、「スプライトを消す」「変数得点を1増やす」を追加します。
このようなプログラムになります。
実行してみましょう。
元も「ball」は表示されないでクローンした青い「ball」が動きます。
「ball」をクリックすると特典が「1」増えます。
簡単なゲームですが、ゲームらしくなりました。。
クローンを使った事例2
もう一つクローンを使った例を紹介してみます。
「ネコ」と「ball」のスプライトを使います。
■ネコの動き
スペースキーを押した時に「ball」をクローンするようにします。
イベントから「スペースキーが押された時」を持ってきて下に「ballのクローンを作成する」を追加します。
このようなプログラムになります。
ここではネコの場所は指定しないのでマウスで適当に動かして下さい。
■ballの動き
次のような動きになります。
ハタが押された時はステージから消えます。
クローンされた時は以下の動きを行います。
(ネコからballを発射しているように見せるため)
このようなプログラムになります。
ネコが「ball」を発射しているように見えます。
スクラッチのクローンまとめ
スクラッチのクローンについて実際に使ってみながら使い方を説明しました。
理解できたでしょうか?
クローンの使い方を覚える事で作る事が出来るゲームの幅が大きく広がります。
実際に使ってみてマスターするといいでしょう。